沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

Kindle本高額書籍キャンペーン(〜11/9)オススメ本

Kindle本の高額書籍キャンペーンが11/9までやってるので個人的にオススメできそうな本をかんたんにまとめておきます(毎度偏ってますが)。高額っていうかまぁざっくり3000〜4000円台の良質な本が1000〜2000円に下がるお手頃セールなので、読書勢は狙い目だと思う。

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DRAWDOWNドローダウン― 地球温暖化を逆転させる100の方法

今年は夏だけでなく、秋の気温もやばすぎて、11月に入っても夏日が3日もあったらしいし、いよいよ気候変動っていうか気候危機が本格してきた今日このごろ。そんな気候危機・地球温暖化の問題を考える上で、必読級の1冊として本書をよくオススメしてる。

たとえばamazonで「地球温暖化」と調べてもいまだに地球温暖化否定論の本とか見かけてびっくりしてしまうわけだが、一時期に比べるとさすがに肌感覚でも「天気やばい」とわかるようになってきたためか、露骨な否定論は最近ようやく減り始めた感もある。しかし否定論の次は「もう何をやっても無駄」という気候絶望破滅論みたいのが世界的に盛り上がってきてるようで、否定論とは真逆のようで結局「何も対策しないのが一番だ」という結論に人を導く点では同じであるため、これも等しく良くない。

そこで本書『DRAWDOWNドローダウン― 地球温暖化を逆転させる100の方法』のような本が大事になってくる。人類共通の危機である地球温暖化を食い止め、「逆転」させるための科学的かつ具体的な方策・施策を詰め込んだ本。エネルギーや食など基本の他にも、建築、輸送、女性の権利のような意外な視点からの「対策」もあって、世界を結ぶシステムの繋がりに思いを馳せるきっかけになるはず。

気候の現状は明らかにヤバいが、どんな気候対策も無駄にはならないし、やるべきことは沢山ある…というまっとうな姿勢をビジュアル的にわかりやすく伝えた本なので、学校の図書館とかにも1冊は置いておくべき本だと思う。ただ意外と400ページ超あって分厚いので電書で持っておくのもオススメ。

セール対象ではないが続編の『Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる』も大変オススメ。こっちは動物や生態系の話も多いし。昨年のベスト本にも選びました。

 

ちなみに気候関連だと『気候カジノ 経済学から見た地球温暖化問題の最適解』もセール対象になっていた。実は未読だが、有名な本なので一応読んでおこうかと…

 

「いいね!」戦争 兵器化するソーシャルメディア

キャンペーンで知って、今まさに読んでる本なのだが、相当面白くて怖いので紹介させてもらう。タイトルだけ見て、最近よくある「なんかSNS中毒とか政治対立とかエコーチェンバー云々みたいな話かな?」と思ったのだが、そういうレベルではないというか、本当にタイトル通り「戦争」「兵器化」みたいな物騒な言葉が当てはまるようなヤバい状況を、世界各地でソーシャルメディアが作り出してしまっている…という戦慄の事実を、軍事研究とSNS研究の専門家が語る。

特に今、イスラエル/パレスチナ紛争…というより虐殺と言っていいような悲惨な状況がある中で、こうした本を読んでおくべき理由は増しそう。マスクがチェック機構を粉砕したせいでTwitterにも(前もひどかったがさらに悪質になった)誤情報が溢れかえっているし、もはや「誤情報」というか明白に政治的意図をもって撒き散らされているプロパガンダニュースも後を絶たないわけで、それを見分けるのがどんどん困難になっていき、結果として本当に起こった惨劇までもがなんとなく覆い隠されてしまい…みたいな悪循環も生まれているわけだから…。

「アラブの春」にも象徴されるように、SNSの盛り上がりが独裁政権を倒したり、BLMのように警察暴力を日の下に晒したり…といった、前向きな面も確かにあるんだけど、問題は権力の側もソーシャルメディアの力を熟知し始めていることだと本書は語る。その結果として生まれる、ロシアのフェイクニュース専門部署とか、間抜けでもあるんだけど洒落にならない影響を社会に及ぼしているのも恐ろしい(当然トランプの隆盛にも繋がってくる)。

中南米では新聞などのオールドメディアが麻薬組織に萎縮する中、一般市民がSNSを利用して対抗する一方で、麻薬組織のほうもSNSを活用して抵抗者を殺害するなど、事態は混迷を極めている。ここまで直接的な暴力ではないにしろ、日本でもDappi事件とか、女性憎悪的なエコーチェンバーが引き起こしたなんとかアノン事件とか話題になったばかりし、全然人ごとではないなと戦慄しながら読んでいるのだった…。

そんなわけでSNSに憎悪と誤情報の嵐が吹き荒れる今こそ読んでおくといい1冊かと。セール対象だけどkindle unlimitedにも入ってるよ。

 

巨大テック産業の闇…とつなげると少々無理やりだが、『ウーバー戦記:いかにして台頭し席巻し社会から憎まれたか』もセール対象。読み途中だがなかなか面白い。

この本を元にしたドラマ『スーパーパンプト/Uber -破壊的ビジネスを創った男-』のほうを先にU-NEXTで見たのだが、そっちも面白かった&ウーバーあんまり使いたくなくなった(実は使ったことないが)。ウーバー版『ウルフ・オブ・ウォールストリート』といった趣き…

 

ジ・アート・オブ Cuphead(などゲームのアート本)

高額書籍キャンペーンは(主に誠文堂新光社が出してる)海外の名作ゲームのアート本が安くなりがちなのでゲーマーは押さえておこう。けっこう買っているのだが、イチオシは本書『ジ・アート・オブ Cuphead』かな。

1930年代ごろのアニメーションを源泉に再創造した傑作ゲーム『Cuphead』のアート本にふさわしく、各ボスや世界観について、元ネタの大量のアニメやゲーム(ロックマンとかカービィとかストリートファイターとか日本のゲームも多いのよね)に触れつつ解説。テキスト量も意外なほど多いので、せっかくだしこの日本語版をオススメする(素晴らしいローカライズで知られるゲーム同様、この本の翻訳もいい)。本の作りもかわいので、電子だけでなく紙でもほしくなってしまうが…

↓ゲーム本編(私はswitchでプレイ)。めちゃくちゃ難しいゲームだけど、圧倒的に美しく可愛いビジュアルゆえにリトライが苦にならないので、特にアニメ好きはトライしてみよう。DLCも最高の出来栄え。

store-jp.nintendo.com

 

誠文堂新光社のゲームアート本、他にもセール対象が色々。

ジ・アート・オブ Horizon Zero Dawn

Horizonの圧倒的な作り込みの世界観を詳しく解説。↓下の記事でも参照した。

numagasablog.com

続編『Forbidden West』やDLC『焦熱の海辺』のアート本も早く出てほしいね。

 

ジ・アート・オブ The Last of Us 

ジ・アート・オブ The Last of Us Part II 

「ラスアス」シリーズのアート本も対象。ストーリーの素晴らしさが評判のゲームだが、圧倒的なビジュアルの美しさや作り込みも噛み締めたいところ。↓むしろドラマになってそれに改めて気付かされたな。久々に再プレイしながらアート本を読み返したい。

numagasablog.com

 

ワールド・オブ・サイバーパンク2077

『サイバーパンク2077』は未プレイなのだが、ちょうど(『エルデンリング』もクリアして)次に遊ぼうと思っていたので、アート本を先に買っておくことにした。発売当初こそ何やらゴタゴタしていたが、今はアップデートも重ねて普通に名作の評判が名高いようで何より。DLCの評判も良いし、楽しみだ。

 

ワールド・オブ・ウィッチャー

同じゲームスタジオつながりで『ウィッチャー』のアート本も対象。これも非常に凝った作りの本で、ゲーム内の登場人物(吟遊詩人)の語りという体で、本作の重厚ファンタジー世界観やモンスターなどを詳しく解説してくれる。ファン必携と言っていい本で、めくってるだけで楽しい。まぁ私はゲームは未クリアなのだが…コンテンツが膨大すぎてな…(せっかくなのでPS5版を改めて最初からプレイしようかなと考え中)

 

他にも色々「ジ・アート・オブ」系が対象なのでゲーム好きはぜひ。ツシマもあるよ

 

〈正義〉の生物学 トキやパンダを絶滅から守るべきか

生き物好きほど意外と改めて考えることが少ないかもしれない「なぜ生物を守らなければいけないのか?」という問いを突き詰める1冊。「絶滅も自然の摂理なのだから…」といったよくある誤謬に丁寧に反駁しつつ、動物や自然を守る理念を研ぎ直す。

自然の摂理として(特に人間社会の不均衡を都合よく解釈するために)よく持ち出される「弱肉強食」という考え方が、自然界を理解する上でなぜ全くの的外れなのか、そしてなぜ人間界に適応できないのか…と改めて解説する部分など、生物学が雑に乱用されがちな今こそ傾聴すべき話でもある。

生物や自然に理解がある人でも「それらを守るべき理由」として最重視しがちな「人間の役に立つから」という考え方に潜む欠陥や欺瞞も指摘していて、若干ドキッとしつつ「そうだよね…」となった。そこで重要になる概念がやはり(日本では煙たがられがちな)"正義"であることも重要だなと。多方面から面白かったのでぜひ。

 

生きもの繋がりで、図鑑系もかなりセール対象になっているので、興味あればどうぞ…

日本の野鳥識別図鑑

野鳥図鑑を電子で持っておくと、出先で「なんの鳥だ?」と思ったときに意外と便利です。鳥はいつ現れるかわからないからね。ネットで調べるのもいいけど、情報が凝縮されている図鑑はやはり良い…

 

決定版 日本のカモ識別図鑑: 日本産カモの全羽衣をイラストと写真で詳述

いよいよカモの季節なので、カモ図鑑などいかがでしょう。近所ではオナガガモが群れをなしてやってきました。

 

新版 ウミウシ:特徴がひと目でわかる図解付き

ウミウシかわいさに衝動的に買ってしまった図鑑。別に海にもぐったり磯遊びもしないので、まだ一度も具体的に役に立ってはいないが、ながめているとかわいい。

 

イタリア菓子図鑑 お菓子の由来と作り方:伝統からモダンまで、知っておきたいイタリア郷土菓子107選

イタリア好き勢としてぜひオススメしたい1冊。ジェラートやティラミスみたいな超メジャー選手以外にも、イタリアの甘味は多彩なのである。イタリアの地理的・文化的な多様さもよくわかる、眺めてるだけでも楽しいレシピ図鑑。イタリア行ったばかりだがまた行きたくなる。

たとえばサイゼリヤとかでも、デザート=ドルチェのイタリア再現も頑張ってるとは思うが(プリンはあまりイタリアで食べるイメージないけど…)、『イタリア菓子図鑑』にのってるようなコアなドルチェを時々やってくれたらアツイのにな〜とは思う。それこそカンノーリとかってダメなのかな? 皮の用意が大変?リコッタが高くてムリ?

今年行ったシチリアでも本場のカンノーリをむしゃむしゃむさぼり食うつもりだったのだが、暑かったしジェラートやグラニータがおいしすぎたので、実はこの1回しか食べられなかった。日本でもマリトッツォの次にきてくれ、カンノーリ…。

 

ちなみにこの菓子図鑑シリーズはヨーロッパで色々出ているので世界のスイーツ好きはコンプしても良いかもしれない。いずれもセール対象でした

イギリス菓子図鑑

ドイツ菓子図鑑

フランス伝統菓子図鑑

ポルトガル菓子図鑑

 

オススメはいったんこんな感じ。あくまでごく一部で、対象本は多岐にわたるので色々チェックしてみてね

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