町にやってくる熊々(くまぐま)、通称「アーバン・ベア」が世間を騒がせる今、クマに何が起きているのか、なぜ人を襲ってしまうのか、出会わないために/出会ったらどうすればいいか、共存の道はあるのか…などの基本的な情報を図解でまとめてみました。図解イラストとあわせて、参考にした/できそうなクマ関連の記事やサイトもまとめておきます。
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町にやってくる熊々(くまぐま)が世間を騒がせる今、クマに何が起きているのか、なぜ人を襲ってしまうのか、出会わないために/出会ったらどうすればいいか、共存の道はあるのか…などを図解でまとめてみました。クマと人の今後を憂慮する人間たちは読んでみてね pic.twitter.com/Gut6eUS9SM
— ぬまがさワタリ (@numagasa) 2023年11月19日
【参考記事・サイトなど】
まずクマ被害の定量的データは環境省の「クマ類による人身被害について[速報値]」も参照。
2023年の被害人数(〜10月末)は「180人」で、21年+22年の合計をすでに上回る数字。県別に見るとやはり秋田が突出、次いで岩手。死者数は現時点で「5人」と過去ワースト級。(とはいえ、毎年"数千人"規模の死者を出している交通事故などと比べると、クマによる死亡事故は現状では非常に珍しいケースである、ということも留意すべきかなとは思うが…)
図解を描く上で最も参考にした、先日放送されたクローズアップ現代の「アーバン・ベア」特集の書き起こし。クマの異常行動の背景、クマの生態を知る大切さを、クマ専門家の小池先生らが語る。誘引物の除去など短期的な対処から、軽井沢のように長期的な共存政策まで、幅広い施策が必要だとわかる。
図解でも紹介した、軽井沢の長期的な視野をもったクマとの「共存」施策。人とクマの「陣取り合戦」というイメージで、森林・緩衝地帯・市街地の3つのエリアに分け、森林エリアにクマを押し戻す。資金や人手は必要だが、長い目で見ると確実に必要になってきそうな方針。
音声コンテンツとしてはSessionのクマ特集も。今年クマ被害が多発している背景を、クマの専門家・山崎先生が解説。
図解でも少し言及したが、クマの異常行動に気候変動が与えた影響はやはり大きいと見るべきでは、と思う(日本語ニュースではあまり言及されないが)。こちらの最新記事でも↓、気候変動とブナ凶作の関連性が指摘されている。長期的かつ喫緊なクマ対策という意味でも気候危機対策が日本でも切実に重要になるんじゃないでしょうか…
気候変動とクマの都市進出を結びつける報道、海外だっとけっこう見かける。
《気候変動により都市部にクマが押し寄せ、日本はクマ襲撃の避けがたい増加に直面》(英語)
日本語のクマ記事はどうにも扇情的なものが多く、特に「クマを駆除しようとするスタッフに対して、こんなクマ保護派のクレームが!」みたいな対立煽り記事ばっかり出てきて辟易させられた…。
この手のネット受けしそうな、「クマは駆除あるのみ、保護だの共存なんてお花畑」みたいな単純な二項対立が良くないのは、駆除が本質的には対処療法にすぎず、長期的には地道な動物保護のアプローチ(≒クマと人の間に適切な距離を設ける)が人命を守るためにも不可欠になるから…ということは周知されるべき。メディアの(百害あって一利なしの)煽りに乗せられず、クマ被害の背景にあるものをちゃんと見ないといけない。
こういうのはむしろ海外の方が冷静かつ論理的に見てる、みたいなことも多いので、ジャパンタイムスの充実した記事も紹介しとく(イラストかわいい)。文中で『平成狸合戦ぽんぽこ』にまで言及されてて面白いし、連想もわかるなという状態ではある。
《コンクリートの森: クマやイノシシなどが都市へ向かう》(英語)
いったんこんな感じ。また何かあれば追記します。