沼の見える街

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ジョジョ4部アニメ2話みた。

  • ジョジョ4部のアニメの第2話を昨晩みたんですが、これ、相当素晴らしい出来栄えのではないでしょうか。ジョジョ4部の何が面白いのかという点をスタッフがとても真剣に考えているのだと思います。1話も良かったんですが、2話をみて改めてそう感じましたね。
  • まず、アンジェロが投獄される前の最後の犯罪、あまりにエグいのでさすがにアニメではカットされるか…?と予想していたのですが、むしろ原作よりも生々しく再現してくるという覚悟に驚きました。これが「アリ」として通ったというのは非常に大きいことです。おそらくは吉良にまつわるあれこれとか、4部独特の「大丈夫かコレ…」と心配になる要素も全部逃げずに盛り込んでくれるだろう、という信頼が湧いてきます。
  • 4部の大きなテーマとして「日常にひそむ悪」というのがあるので、どちらかといえばカラッとした敵の多かった3部とは違って、「こんな奴が自分や家族や友人のそばにいたら嫌だなあ」という生理的な嫌悪感を喚起することがものすごく重要になってくるんですよね。巨悪を討つために旅をする3部を「攻め」とするなら、4部は「守るべき日常」が存在する「受け」の物語なわけです。だからこそ、たとえ強大な力をもっていない敵でも、心底「恐るべき悪」となる。
  • そういうわけで、4部最初のバトルとなるアンジェロ戦は、ある意味では全体を象徴する非常に大切な戦いなんですよね。水のスタンド「アクアネックレス」は確かに厄介ですが、これまでの強敵に比べればそこまで強大な能力というわけでもありません。しかし、そんな「たいしたことない敵」に邪悪さと狡猾さがそなわって、そいつが日常を脅かそうと本気でやってきた場合、ある意味ではカーズやDIOよりもタチのわるい「悪」となる。その怖さが、アニメでも見事にその面白さが再現されていたと思いますね。冒頭の残酷描写から逃げなかったこともそうですが、日常の象徴である「家」をじわじわと侵されていく過程にもリズミカルな緊迫感があって、とても良い映像化でした。
  • 背景の色使いの素晴らしさも特筆するべきでしょう。3部までと比べてもその違いは誰の目にも明らかというか、非常に大胆な色使いがなされています。…といってもアニメスタッフのひとりよがりではなく、4部のコミックス表紙やカラーイラストなどで荒木先生が施していた独自の背景色を、できるかぎり原作に忠実に、もしくは「ジョジョっぽい」と感じられる範囲のアレンジを加えつつ、作中の風景として再現しているわけですね。めちゃくちゃ手間がかかっていると思いますが、4部の「奇妙にしてポップ」な味わいを視覚的に一発で表していて上手い手だと思うと同時に、スタッフの深いジョジョ愛を感じずにはいられません。
  • OP曲も今回発表されましたね。曲調が軽めなこととか、まさかのディスコ風ダンスなこととか、作画が神風動画じゃなかったりすることに賛否両論あるようですが、私はとても好きです。この世には良い奴も嫌な奴もいる、でもそいつらと戦ったりトラブったりして「踊る」ように日々を過ごしているうちに、良い奴も嫌な奴も不気味な奴もなんとなく一緒くたになっていく、だからこの街で踊り続けよう…みたいな4部独自の素敵なノリがよく出てると思いますね。たぶん吉良が登場したあたりでOPが変わると思うので、その時は1部OPや3部OPみたいな熱い曲調とか、4部特有の「不気味さ」をよりいっそう強調した曲が見られると嬉しいですね(神風動画さんの再登板にも期待…!)。
  • それにしても1部や3部ならともかく、まさか4部がアニメ化するだなんてな〜…。高校生くらいの頃には想像すらしていなかったので、もうそれだけで本当に嬉しいのですが、さらにそのアニメの出来も素晴らしく良いんだから、これで文句なんか言ったらバチがあたるというもんでしょう(あれば言うけど)。『響け!ユーフォニアム』以来、久々に毎週感想を書きたいというアニメができましたので、今後もなるべく続けていきたいと思います。ではまた。