- 映画「シンデレラ」、なんか昨日は散々言ってしまったが、1日置くとけっこう良かったところも思い浮かぶので、バランスをとるために書いておこう。
- ライブ感(?)を出すため、感想的なものはなるべくその日のうちに書こうと思っているのだが、イマイチだったって時はちょっと寝かせた方が良いのかもなあ。やや反省。
- まず、継母役のケイト・ブランシェットはとても良かった。今回のMVPだと思う。間違いなく、ウディ・アレンの「ブルージャスミン」における痛々しい主人公役を受けての抜擢だろうが、今後こういう嫌な役がいっぱい来そうでややフビンですね。
- 百合的な観点からいっても、継母×シンデレラの関係性は非常に魅力的でしたね…。二次創作するならこれしかない。
- 継母はたしかに極悪非道なんだけど、ちょっと人間的な脆さを見せるシーンが微かにあるのが良い。
- シンデレラ父が死んだ報せを運んできた従者が、シンデレラに、「お父さんは最後まで、あなたとお母さんのことを考えていましたよ」と言う。(ここでいうお母さんっていうのはシンデレラの実の母親。)
- それを聞いた継母が、ほんの一瞬、傷ついたような表情を浮かべる。「え、わたしは…?」って感じの。ここのケイトの演技、最高だった。
- 確かに金目当てで再婚したけど、でもそれはそれとして、相手に何とも思われてなかったことは、一人の女としてショック…継母ショック…というような、たいへん微妙な感情が一発で伝わってくる。さっすが。
- その時の微かな傷が、後にシンデレラへのイジメが激しくなるきっかけでもある、と。
- 何より、女として決して敵わない存在であろうシンデレラ母への嫉妬も含め、その美貌を受け継ぐシンデレラへの憎悪が、より根深いものになったのだろう…。みたいな妄想も捗る。
- 百合ダーク的観点から言っても実にそそるでげすねえ。継シンおいしいです。がうがう。
- まあ妄想はともかく、それくらい作品世界に奥行きを与えてくれる、素晴らしいワンショット、絶妙な演技だったと思う。
- まぁただ、その直後に継母の娘姉妹が、「えー、死んじゃったの?おみやげ頼んだのに」みたいなセリフを言うんだよな…。怒りを感じるというよりは、ガクッときてしまった。いやキミら、この状況でそのコメントは、いくらなんでも、意地悪っていうよりは単に頭のかわいそうな人にしか見えないよ…。逆にすごいよ。サイコパスかよ。
- せっかくケイトが抑えた名演技をしてるのに、その直後に、度を越したバカ描写を入れてまで姉妹をクズに描かなくたっていいじゃん…。
- 最後なぜか唐突に姉妹が改心して、まあそれはいいんだけど、だったらここまで救えない子たちとして描かないでほしかった…。
- なんか、いつのまにか再びdisる方向になっているな。本末転倒なのでこの辺で止めます。あと、評判どおり美術もやっぱり凄かったですよ。まあメアリー・ブレアの方が凄いけど。(やめなさいって)
- ほんと、基本、良いと思ったものについて書かなきゃダメですね。いかんいかん。合わなそうな映画を観るのは、なるべく避けていきたいです。見るとつい書いちゃいそうだし。お付き合いくださった方、ありがとうございました。