湯婆婆「日本列島…?贅沢な名だね、今からお前の名前はアッツ島だよ!わかったら返事をするんだ、アッツ島!」
アッツ島「はい」
真のアッツ島「いやうちは涼しいんだが」

というわけで日本は(アッツ島ではなく)湿潤爆熱気候の蒸しアツ列島なので真剣に暑い。気候変動+エルニーニョ現象のダブルパンチな猛暑が世界各地を襲って久しいが、いよいよ日本でも本気出してきた週となった。
日中の最高気温は▽岐阜県美濃市で40.8度▽岐阜県多治見市で40.7度▽三重県桑名市で40.6度▽静岡県浜松市で40.3度▽甲府市と愛知県豊田市で40度ちょうどと、東海を中心に6地点で「酷暑日」となりました。
国内で40度以上の気温が観測されたのは今月21日から25日の5日連続で、気象庁によりますと、統計上比較ができる2010年以降で最も長くなっています。
もはや映画館にさえあまり行く気にならない気温である。
こんな酷暑の夏ともなると、子どもには過酷すぎるよな…(体も脆弱な上に移動の自由も小さい)と前から思ってたが、実際に子どもにとっての気温が、大人が感じる気温より+7度も高いことがあるという。
気候変動は世代間格差の問題(過去の世代が先送りにしてきた問題のツケを若い世代が支払う)とはよく言うが、もっとダイレクトに肉体的な世代間格差もあるというわけか…。
今の大人も、自分たちが子どもの頃とは全く違う気候の時代に突入していることは肝に銘じておくべきだと思う。得に真夏の日中の屋外スポーツとかマジでもうやめるべきだと思う!猛暑の炎天下で未成年に野球バトルさせる大会とか!!
もうだいぶグラディエーターだろ
高校球児と古代ローマ剣闘士 共通点 国をあげた一大エンタメとして、衆人環視のスタジアムで、命の危険がある過酷な戦いを繰り広げる 違う点 剣闘士は勝つと大金がもらえる
— ぬまがさワタリ@『いきものニュース図解』ほか3/19同時発売 (@numagasa.bsky.social) 2026-07-22T07:47:27.299Z
古代ローマ剣闘士の待遇が意外と良かった(イメージよりは人死にも少なかった)みたいな研究が進んでいることもあり、このまま猛暑開催が続くようではそろそろグラディエーターにも引かれると思う
グラディエーター「いや35度で球技はないわ」
ちなみに熱波が襲うのは大人や子どもや高校球児だけではない。犬もピンチ。 www.bbc.com
気候変動によって猛暑が激化し、地面が高温化すると、散歩が必須な犬にも大きな熱ダメージがいく。熱中症の兆候も色々あるので要チェック。散歩の前に「手のひらテスト」も推奨(地面に手を5秒あてて快適でなければ、犬の足には熱すぎるらしい) 心にジョン・ウィックを宿す犬LOVEな皆さんは、ぜひ気候変動の撃滅を志してもらいたい。
動物といえば(?)少し前、クマ出没が問題になった時、「連日こんなにクマ報道ばかりなのはおかしくないか」という意見に対して、「死者が十数人に達してるんだぞ、全国ニュースになるのは当然だ」という反論をみて、それはまぁそうだなと思ったのだが、その理屈だと猛暑の元凶である気候変動が連日トップニュースにならないのもおかしな話だなと思う。
もちろんクマ問題を軽視するわけではないが、熱中症も1週間で「救急搬送1万人 死者14人 重症者321人」って数字としても甚大な被害であり、もう街でクマが暴れてるのと大差ない気がしてくるし、それくらいの緊急性と危機感をもって猛暑と気候変動の関係が報じられるべきである。(というかクマ問題も気候変動と無縁では全くないわけで)
「クマ被害は死者数にだけ注目してはいけない(たとえ死ななくても後遺症が残るほど重いケガだったりするから)」と同じ理屈で、熱中症の死者だけでなく、重症も本当に洒落にならない…。
記事より引用
Q.最近、SNSなどで熱中症になると「脳がゆで卵状態になる」と話題になっています。本当でしょうか?
「はい。脳はたんぱく質で構成されているため、卵と同様に熱で変性してしまいます。(…)また、生存しても後遺症のリスクが高いです。」
こんな胡乱なSNS風説が本当かどうか聞いた質問で専門家の答えが「はい」なことあるんだ(恐怖)
そんなわけで個人でできる対策ももちろん必要だが、メディアにもしっかりした気候報道をお願いしたい所存。
こちらは日本で「酷暑日」が初めて公式に使われた、という件のガーディアン報道。
国立環境研究所(NIES)と東京の早稲田大学が2025年に実施した調査によると、温室効果ガスの排出量を大幅に削減しなければ、2060年代までに学校のスポーツ活動は屋外で行えなくなるという。
文中で当然ながら気候変動や温室効果ガス削減にも言及があり、これくらいの密度の「猛暑」報道は日本の大手メディアでも常態化してほしい。「クソ暑いね!死なないでね!おわり」みたいのだけじゃなくて…。
まぁ世界のどこでも気候変動は脇に追いやられがちなのだが…(先週↓)
まず一般人が日常会話の話題にしていくことから抗っていきましょう。
最後に、今週読んだ気候変動関連本『気候紛争~たった「2℃」が起こす戦争~』を紹介。
気候変動の話題、よく知らない人は「2℃上昇くらいなら、まぁいいんじゃね?」と思いかねない点が罠だが、実際はとんでもなく高い上昇幅である(世界の「平均気温」だからね)。
本書は「2℃上昇」(かなり高い確率で達すると思われる数字)が実際に起こった際、猛暑や洪水や海面上昇だけでなく、食糧不足や物価上昇や難民や紛争といった諸問題に複雑に波及していく可能性について解説する。
…というより、すでに波及していて、たとえば「アラブの春」は気候変動の影響による穀物不足と価格高騰が背景にあげられる。気候変動以降の激動はすでに始まっていて、誰も無関係ではいられない。
こういう研究↓もけっこう見かけるし、猛暑で紛争増加というのは体感的にも理解できる話。
一方で「気候変動が激化すると紛争や民族対立(やそれに伴う難民)が増加する」という見方は単純すぎるかもって話もする。
気候変動は、紛争を直接招くものというより、紛争の脅威を増幅するものとして捉えられるべきである。気候変動に伴う災害や異常気象は、その社会にもともとある脆弱性や紛争の温床を刺激し、その脅威を乗数的に増幅する。
逆に、健全な民主主義を育てたり、権力の腐敗や市民への抑圧を防ぐことは気候変動への耐性を増すことに繋がる。
今後「気候極右」(気候難民を排斥する勢力とか)みたいな存在が勃興した時にこの点は重要になると思う。…てか、もう現れているんだけど。
記事「極右勢力は気候危機を脅しとして利用し、有権者を怖がらせ、より高い壁を築こうとしている。」
気候変動がさすがに否定し難い現実として迫り来る中、極右はこれまでの単純な否定戦略(気候変動など存在しない)から、「気候変動が激化したら紛争が起きて難民が発生してうちの国に押し寄せるぞ!」みたいに脅して排外主義や移民排斥の方向にシフトする動きがすでにある。(どの口が言うんだよ、以外の言葉はないが…)
なので気候変動と紛争や難民の発生の関係が意外と複雑であることや、そもそも極右的な政治体制を解体することが社会の気候耐性を増すこともアピールしたほうが良い。
社会の片隅に置かれた人々は、経済的機会や政治的権力へのアクセスが限られる。そのため、異常気象や自然災害に晒されても、政府からの支援を得たり、適応策を講じたりすることが難しい。その結果、災害や異常気象によって生活苦に追いやられやすく、そこから逃れる手段として暴力的行為を選びがちとなる。
不平等を放置し、格差を拡大してしまうことは、社会全体の重大な脆弱性となり、「脆弱な点をもっと脆弱にする」気候変動によって、より大規模な問題(大規模な紛争など)に激化する恐れがある。
民主主義の強化や不平等の是正は実質、気候変動の緩和策であり適応策にもなると考えた方がいい。私たち自身、子どもや犬、高校球児やクマのためにも諦めず、気候変動対策をやっていきましょう、アッツ島のみんな。
アッツ島「がんばるぞ」
災害で優しくなったサルもいるしね↓

