沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

2024年のまとめ(鳥、深海、ニュース図解)

1年前はあんなに新年だった2024年も今じゃすっかり最終日、オワコンならぬオワイヤーになりつつあり、人生もこのようにあっという間に終わっていくのだなぁ…【完】

…なんて諸行無常ドルビーサラウンドはもうええでしょう! 今年も振り返れば色々あったし、アレコレやったし、がんばったよなぁ!!と己を鼓舞していきたいものです。

 

というわけで今年やったこと、がんばったこと(主に仕事面・クリエイティブ面)をかんたんに振り返っていきます。

といっても今年はかなりシンプルで、ざっくり突き詰めると「鳥」「深海」「ニュース図解」の3つに突き詰められそうです。極端だな(高低差が)。

 

 

【鳥】

これはもう、科博の「鳥展」でございます。子どもの頃から愛してやまない「国立科学博物館」の史上初の「鳥」の特別展にて、図解イラスト「鳥のひみつ」23点を担当するという光栄すぎる大仕事をお任せいただき、専門家の先生とも話し合いを重ねながら、全力を尽くしてトリ組みました。ばっさばっさと!!

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科博の特別展に足繁く通っていた身としても、展示でこれほどクリエイター個人のイラストや漫画が前面に出張ってくることってけっこう珍しいよね? 作品そのものにはもちろん自信あるけども…大丈夫、かな…!?と開催前はちょっぴり心配していたんですが(絶対に失敗したくなさすぎたから…)、蓋を開けてみれば、「鳥のひみつ」への評判もすこぶる良く、嬉しい称賛コメントも沢山たくさんいただき、心よりホッといたしました。

「高度で硬い内容を面白く楽しく、万人に開いて伝える」という意味では、これまでやってきた仕事のこれ以上ない集大成になったなあと個人的にも感じており、むしろこれが人生のピークかもしれないが、まぁそれでもいいか…オヤジの栄光時代はいつだ…?オレは今なんだよ!というスラダン山王戦の桜木花道のような(?)気持ちに一瞬なりかけたが、いやそんなこと言わず、さらに高みを目指したい!鳥だけに!!!

↓内覧会のレポートも書いたよ。

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12月にプライベートでお友達とまた行ったし(当然だが内覧会とは違った雰囲気でめちゃ楽しかった〜)、あと1回は確実に行く予定。

 

展示期間は折り返しポイントですが、鳥展は1/2からやっているので、みんなも気軽に行ってよね〜こういうのは気づけばすぐ最終日だからね、ほんとに(経験者は語る)。光陰、ハヤブサの如し。

toriten.exhn.jp

 

【深海】

今年の大きなチャレンジ、もうひとつありました。急に漫画を発表した上になんか知らんが賞までいただき、みなさん驚いたかもしれませんが、私もびっくりしました。

はい、漫画『深海DINER』です。

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2024年が始まった段階では企画として影も形もなく、漫画を本格的に描くことなんて予想すらしていなかったという意味で、個人的にも今年最大のサプライズでしたね。

そもそもは金目当て…っていうと言い方が悪すぎますが、縦読み漫画コンテスト・賞金総額1億円!などというアマゾンの謳い文句にまんまと惹かれ、ちょうど他の仕事のスケジュールとの兼ね合い的にちょっと空白ができそうだったのもあり、軽〜く動物のユルイ漫画でも描いて応募してみっかな〜賞もらっちゃったりして笑、みたいな軽薄なノリで描き始めたんですが、描いてるうちにどんどん凝り始めてしまい(私あるある)、キャラクター造形や脚本も本気(ガチ)で考え出し、気づけば全力投球で漫画を描いていたというわけです。

3月末くらいに「鯨骨生物群集をダイナーにした漫画を描けないかな?」という着想を得て、コンテストの締め切りがたしか5月上旬だったので、実質的に1ヶ月しか制作期間がない中で、募集要件の「3話」を満たすために大急ぎで描き始めました(結局3話を前後編に分割して4話になったけど)。

最初は単に(人間形態とかない)メンダコやカニがわちゃわちゃするだけのギャグ漫画のはずだったんですが、さすがにこれだと引きが弱すぎるかな?と思い、審査員もなんかオタク界的な(失礼かな)面々だったので、ここはいっちょキャッチーな女の子のキャラクターでもデザるか…と、超特急で主人公のめんこやカーニャ等のデザインに取り掛かりました。

かなり爆速で決まっためんこに比べると(メンダコの擬人化でダイナーの店長、って設定だと他にあまり選択肢がない感じもする)、カーニャの造形にやや悩んだり。

右側はボツ案カーニャ。最初もっと「お嬢様」っぽい喋り方や設定だった(名前もカニエルだった)ので、髪型も縦ロールだったのだが、カニっぽさを追求してカニはさみヘアーになった。あと後ろのカニアーム(あし)がもっとメカだった(これはこれでカッコよかったかな)。

デメまるのデザインとか相当お気に入りである。コンセプトは潜水服+雪だるま。

ロクにオリジナル漫画とか描いたこともない中、そもそも完成するのかと不安でしたが、『これ描いて死ね』(©とよ田みのる先生)のアマチュア精神でがんばりましたよ…

そんなわけで4月頃はマジで作業量が凄いことになってましたね。めちゃめちゃ楽しかったけど、他のことをほぼ何もせずに没頭してしまったので、創作って楽しすぎてちょっとマジで危険だよなと思った。

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締め切り直前、3〜4話の完成&アップ前に突然iMac先輩ががぶっ壊れたときはどうしようかと思いましたが、なんとか間に合ってよかった(酷使しすぎたんだろうか…)。データを外部に保存しておくことの重要性がよくわかりました…。

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そして6月ごろ、受賞結果が出て、(皆さんの応援のおかげもあり)ありがたくもカテゴリー賞「ファンタジー」+賞金をいただいたというわけ。賞金1000万円のグランプリ(大賞)は結局「対象者なし」だったようで、「なんだよ〜、どうせ余るんなら私にグランプリくれればいいだろ」という気持ちもなくもなかったですが(傲慢)、文句いっちゃいけませんね。賞金もありがたく、自己研鑽と世界変革のために使わせていただきます。

まぁ独立したオリジナル漫画は初とはいえ、キャリアをスタートする前はわりと二次創作とかでちょい長めのストーリー漫画も描いていたり、『ふしぎな昆虫大研究』や『ゆかいないきもの超図鑑』はキャラクターがいたりストーリー仕立てだったりしたので、厳密な意味では初漫画でもないんですけどね。

ちなみに『深海DINER』現在は8話まで更新しています。

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第1章・完!「深海MOTEL」編に続く!という雰囲気で終わらせてはいますが…今はさすがに他の仕事も忙しくなってしまい、ぶっちゃけ今後の展開は未知数です。楽しみにしてくださってる方、もしいたら申し訳ない…。のですが、キャラや世界にはだいぶ愛着が湧いたので、何かの形で続きが作れないかなあとは思案中です。めんことカーニャの愛がちゃんと報われるとこまで描いてあげたいものだな。

思い切って漫画を描いてみたことで、表現手段の幅をグッと広げられた感じがしたのも、個人的には収穫でした。でもまぁ漫画って仕事にするにも趣味にするにも単純に作業量が多すぎて大変だな!!とも思ったけど。プロの人はすごい。どうしようかな。もういっそ…小説『深海DINER』でも書くか?(てきとう)

↓メリクリ…いやメリデメイラストも描いた

【ニュース図解】

3つめ、「いきものニュース図解」始動。始動っていうか、これまでやってきたことにハッシュタグ/タイトルを付けてみただけっていうか、延長線ではあるが…。でも「ニュース図解」と銘打ってみたことによって、輪郭がくっきりした感もある。世の中は悲惨さに満ちているが、良いニュースを届けていきたいものだな(なるべく)

縦読み漫画版の「いきものニューストゥーン」とかにもトライしてみたのも副産物といえよう。『深海DINER』描く前はこっちでコンテストに応募する予定だったんだよね〜

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↓SNSでの反響が特に大きめだったのはこのへんかな。

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なんか鳥が多いな(私が鳥好きなだけか…)

 

まだ詳しくは言えませんが、いきものニュース図解関連の何かの作業も(って言ったら大体分かるか…)絶賛進行中なので、おたのしみに。

 

終わり!来年もほどほどに自分と世界のためにやっていくので、よろしくお願いします。

 

【その他】

おまけで、今年はじめたりトライしたり、しなかったりした諸々を五月雨式に。

 

◯Bluesky

bsky.app

今年のSNS界の話題といえば、やはりマスクXがヤバすぎてBlueskyに大移動が起こったという「エクソダス(X脱出)」であった。私はちょっと前から(招待制のときに)始めていたが、今年の特に後半はかなり積極的に利用していた…というか、ほぼ軸足がTwitterからこっちに移ってしまった感がある。

ブルスカ普通に使いやすいし、海外の科学者とかジャーナリストとか(反マスク/トランプ傾向な)知性的な人々もドッと流入したこともあり、雰囲気も良い感じの活気と落ち着きがあって良いんだよね。この感じがいつまで続くのかは未知数だし、まぁXが完全に破綻する(もしくはマスクが出てく!)までは、イラストや映画の感想などは並行してあげていくつもりなんだけど。

 

◯iPad Pro液タブ化計画

絵を描いてない人は「しらんがな」という感じだろうが、作業環境まわりで今年最大の変化を起こしてみた。iPad Pro(M4)+Apple Pencil Proの購入に踏み切り、心にずっとくすぶっていた「液晶タブレットっていいかげんそろそろAppleが本気だしたiPadなら完全に置き換え可能なのでは??」問題をしっかり検証することにしたのだ…。

液タブとiPad Pro(せっかくまだどっちも繋いでるので)大きさなど比較。 ↑iMac 24インチ(M3) ←液タブ Wacom Cintiq 16 →iPad Pro(M4) 13インチ +Apple Pencil Pro ・作業画面、横は当然ワコムが大きいが、縦はiPad Proが上回る。結果、体感的にはワークスペース総量そこまで変わらない。 ・色合いはやはりiPad Proが優秀。Cintiq Proだと同じくらいになるのかな(そうなると値段iPad Proとほぼ同じだが…) ・ペン、ワコムのは本職だけあって安定感あるが、Apple Pencil Proになって相当に肉薄してる印象。

ぬまがさワタリ@科博「鳥」展 (@numagasa.bsky.social) 2024-12-12T04:26:07.624Z

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「Apple先輩の本気やべえ…これに比べたら液タブさんは、ただのでかいマウスや…」となるか「あ、やっぱ餅は餅屋なのか…ワコム先輩、さーせんした…」となるかはわからなかったが、20日くらいiPad Proを(やや小さめの)液タブとして使った結果、なんか想定以上にあっさり「イケるのでは…?」という感じになってきた。最初なぜかペンが極細になってしまったけど筆圧検知やったらまともに。
ずっとCintiq16を使っていたので、まずPCと液タブで色合いが(大幅には)違わない、ということ自体が新鮮に感じる。サイズは小さくなったが(16→13)思ったより気にならず。
Cintiq Proなら画質も4Kになって色域も広がるんだけど、そうなるとiPad Proとお値段ほぼ変わらなくなってくるのよ。最近値上がりしたこともあり…。ワコムやばい?

ただまぁ筆圧検知レベルの細かさとか、普通にサイズとか(私は13インチで十分だが)、明らかにワコムが勝ってるとこもいくつかあるので、iPadが液タブの完全な上位互換となる日は来ないのかもなという気もする。Appleもそこまで真面目に張り合わないだろうし。ワコムにも恩義があるので(Macとの連携の微妙さはなんとかしてほしいが)がんばってほしいものだ。

余談:この記事用のゆるイラストを描いた後に、macとiPadをUSB接続してなかったことに気づいた。まじか、無線でもこんなナチュラルに描けるのか。Appleすげえ(結論)

 

◯反省

反省は別にしていないが、昨年(2023年)に比べると、たとえば映画レビュー記事とかはマジでほとんど書かなかったな…とは思った。

↓あれ、これだけじゃね?

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まぁ2023年が、本も一区切りついたし、ブログ運営にちょっと力を入れてみるか〜とか思ってたら本当に入れすぎてしまったという(私あるある)年で、かなり特殊だったんだと思う。いくらなんでも映画レビューばっかり書きすぎていたしな。

翻ってSNSにはそれなりの頻度で感想文をあげていたので、今年はこういう短い記事↓(短文で書いた感想)をもっと増やそうかと思っていたが、全然サボっていた。まぁマジでいそがしかったのでね…。しかたないか。

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ただ来年はもうちょっと、自分が書いたものを真面目にログってく作業をやろうかな…と毎年言ってるかも。もうTwitterやブルスカに書いたものをちゃっとまとめるだけとかでもいいんだけど、なんかめんどくさくてやれてない。結局、SNSのアーカイブ性なんて全然信用できない…という諸行無常感にあふれた一年だったし、もうちょいなんかこうね(それ言ったらブログもだけどね)。書くことのノリとフットワークを軽くしたい。

映画や本自体は全然みたり読んだりしているので、恒例のベスト記事は今年(来年か)もやろうと思ってます。

 

おしまい。それでは良いお年を〜〜〜