沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

「カラヴァッジョ展」行った。

  • 上野の国立西洋美術館でやっている「カラヴァッジョ展」がもうすぐ終わりそうだったので、見に行ってきました。わりと面白かったです。
  • 実は私は一身上の都合により(?)美術史を学んでいたことがありまして、その際にカラヴァッジョに関してもだいぶ絵を見たり関連書籍を読んだりしたので、かなり馴染み深いといえば馴染み深い画家なんですね。ただまぁ、その時にいっぱい見たり読んだりしたので、今さら展覧会とか行かなくてもいいかな〜、混んでたらメンドいし…などと思いつつ、とりあえず先延ばしにしていました。でも会期も終盤になって急に「やっぱ行っとくか」みたいな気持ちが芽生えてきたので、やっぱ行くことにしました…。(不要な前置き)
  • 不要ついでにもうひとつ付け加えると、あまり馴染みのない「金券ショップ」というのをたまには使ってみるかと思ってアメ横に立ち寄ったんですが、カラヴァッジョ展のチケットは全然売ってませんでした…。なんでも売ってるわけではないのね(そりゃな)。映画とかは普通に割引サービスで見た方が安いし、美術展系はこういうのを有効活用していきたいところなんですが…。不要な前置き2、おわり。カラヴァッジョの話をせねば…。
  • カラヴァッジョというのはおもに16世紀後半〜17世紀初頭を中心に活躍した画家で、いわゆる「バロック」という絵画ジャンルを代表する存在ですね。特にイタリアのバロックで一人選べと言われれば、間違いなくこの人だと思います(ベルニーニとかも凄いですがあっちは彫刻ですし)。
  • いろいろなジャンルの絵を描いている人ですが、私が特に好きなのは(というかいちばん有名なのは)、複数の人物が暗闇の中でスポットライトに照らされて、演劇っぽいポーズをとっているような大型の絵画ですね。今回の出品作でいうと『エマオの晩餐』などでしょうか。こういう「光と影」、つまり「照明」という概念を絵画に持ち込んだのはカラヴァッジョが元祖だと言われています。いわゆる「リアリズム」(対象を美化するのではなくとにかく見たまま、あるがままに描く)という手法もこの人が先駆けとなったものですし、詳しい説明は省きますが、とにかく美術史的にも凄く重要な人なのです。
  • 今回は初期作品とか肖像画とか静物画っぽい絵とか、カラヴァッジョの作品がいくつか展示されていました。大体はすでにどこかで見たことがあるものばっかりだったので、あんまり一所懸命は見なかったんですが、やっぱり異様な迫力があるなあ、とか素人らしいことを考えつつ眺めました。果物かごをもつ少年の絵が良かったです。今で言う「静物画」というジャンルも実はカラヴァッジョにひとつの源流があったりするんですよね…スゴイ。
  • 「カラヴァッジェスキ」と呼ばれるカラヴァッジョのフォロワー的存在の人の絵もたくさんありました。日本を舞台にした絵(とはいえイマジネーション全開の空想上の日本ですが…)が最後のほうにあったりして、けっこう面白かったですね。
  • 久々に本格派美術展に行ってバテたので、今日はこの辺で終わります…何も語ってませんが…。詳しくはまたTwitterなどで(最近このパターン多い)。図録も面白そうだったんだけど、かさばりそうなので買わなかったな…。