沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

アンストッパブル・ラバーズ

  • きのう長々と書いた『恋人たち』感想、意外にも読んでもらえているようで嬉しいです(長すぎて引き返しちゃった方も多いかもしれませんが…)。ツイートなどしてくださった皆様、ありがとうございました。超がんばって書いたので嬉しかったです…。
  • あれだけ書けばもうさすがに、思いの丈を書き尽くしたか…と思いきや、全然そんなことはなく、「あそこもよかったよな…」というような余韻や、「あれも書けばよかった…」みたいな悔いがグルグルとまわっている感じです。ものすごく強烈なお酒を飲んでしまった時のような…。見たの、もう3日前なんですけどね…。まだ全然「酔い」が抜けていません。
  • 「重厚」「強烈」「壮絶」というような言葉が見た人(私含め)から飛び交っているため、「重い映画か〜」と二の足を踏んでしまう方もいるかもしれないんですが、けっこう笑いの要素もあったりして、意外に軽妙でポップな作品でもあるんですよね。あまり構えず、チャンスがあればふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょう…。ただ、2時間半と長丁場なので体調だけは整えて見てくださいませ…。
  • もちろん、好き嫌いはあると思います。フォローしている伊藤聡さんとかもブログに書いてましたけど、「好きか嫌いかよくわからない」みたいな感想があるのも何となくわかりますし。それでも、その「わからなさ」こそが大事というか、モヤモヤした気持ちこそが本作の真価というか、それを味わう価値は確実にあると思うんですよね…。やっぱり、冷静になって思い返してみても、「今年ベスト」という言葉にふさわしい傑作だと思いますよ。『マッドマックス』とコレかなあ、今年は…。
  • 今日読んだ『キネマ旬報』のクロスレビューで、評論家のモルモット吉田さんも「年間ベスト」と太鼓判を押してくれていて嬉しかったです。そのレビューともつながるんですが、誰かを無理に悪者にしたり、笑いものにしたりしなくても、十分に面白い、素晴らしい作品は作れるじゃないか、っていうことを証明してくれている映画なんですよね…。
  • 映画でも漫画でもアニメでも、一見すると楽しくてポップで笑いに満ちた作品なのに、なぜか読み終えた後に暗い、虚しい気持ちが残る…みたいなことってないですか。私はわりとあるんですけど…。多分そういう時って、作り手の、この世界や他者に対する「軽視」や「軽蔑」みたいな感情が、そこで描かれている笑いや楽しさの裏に透けて見えてしまうからなのかもな…とか勝手に思ってるんですよね。わかんないけど。
  • でも、『恋人たち』には、そういうことが一切ない。そうした作品と、正反対に位置するような映画だと思います。暗くて辛い絶望ばかりを描いているのに、見終わった後には希望や温かさが残る。それは多分、世界や他者に対する「敬意」が本作の底を流れているからなのかもな…と思いました。そうじゃなければ、見知らぬバカップルが◯◯◯◯◯するだけのシーンを、あそこまで美しく描くことなんて不可能だと思うんですよね。そう、あそこよかったな〜…昨日は書き損ねたけれど…(余韻と後悔…)。
  • そんな感じでまだまだうっとりとしています…。多分しばらくはこんな感じだと思いますので、ご了承くださいませ(?)。この気持ち、誰にも止められない!ウタマル氏の評を聞いたらまた何か書こうかな。楽しみ。
  • 何気に『コードネーム U.N.C.L.E』も見たんですが、その話はまた今度…。とりあえずイリヤかわいい。ではまた。