- 海に行った。遊びに来たのではなく、親族の集まりで海辺の町に来たのでついでに海にも寄ったのだった。明らかに遊泳不可っぽい海辺にもかかわらず、若者がいっぱいいた。サーフィンも無理だと思うが、何をしていたのだろう。青春していたのだろうか。
- 親族の集まりとか、行く前は大抵めんどくさくて死にそうになるのだが、まあ、行ったら行ったでなかなか楽しいのであった。とりわけ、小さい人間…じゃなかった子どもの生態を(アベンジャーズ2ネタ)、間近で観察できるのが良いですね。バカで残酷で優しくて、面白い生物よのう、子ども…。
- 行きの電車で『それでも町は廻っている』の最新刊(14巻)をkindleで読んだ。面白い…。面白いな〜もう。一話完結の話がいっぱい入ってるから、本当なら毎日ちょっとずつ読みたいのだが、あまりに面白くて一気に全部読んでしまったことだよ。だって歩鳥と紺先輩が図書館に行くだけ(本当にそれだけ)の話とかが、何故か面白いんだもんな…ずるいぜ…。基本的に淡々としている「それ町」の中でも特にこの最新巻は、「別に何も起こらない」話がやたら多い気がする。でも面白いんだもんな〜。ずるいぜまったく…石黒正数め…。
- とはいえ普通にドキワクする話もあったりして、たいへん満足度の高い巻でした。夜のプールで歩鳥と真田が「記憶」にまつわる談義をする青春回…かと思いきやまさかの◯◯◯回だった話とか、静香ねーちゃんの若い頃(?)の話とか、歩鳥が突然パラレルワールドに行っちゃう話とか…。やっぱり基盤にミステリとSFへの深い深い造詣があるからこそ、こういう話が描けるんだろうな〜と思うのでした。私もほしいです、教養…。
- なんかもうこの漫画、ホント100巻くらいまで続かないかな…。絶対、続けば続くほど、手のつけられないくらい凄い漫画になっていく気がするんですよ…。もう十分凄いけど、さらに凄いことになるはず。「夜のプール」回で歩鳥が言ってたけど、人間は生きていくうちにドンドン思い出が増えていくわけですよね。それと同じで、『それでも町は廻っている』という作品の「思い出」、つまり「町」そのものが、回が進めば進むほどに「増えて」いくということですよね。作者と読者の思い出の集積としての「町」が。
- オフビートな語り口や時系列のシャッフルによって、一見デタラメな秩序のなかで、いびつなレゴブロックのように「町」が組み立てられて大きくなっていく。ブロック(思い出)が増えることで、「町」のサイズだけではなく密度も高くなり、さらに人や場所の描写が掘り下げられ、それぞれの関係性もいっそう豊かに描かれていく。最初はゆっくりと「廻って」いたその「町」は、大きく密になればなるほど加速度的に「廻る」力を増していき、そしてある地点で、かつて誰も描いたことのないような実在感を持った「世界」そのものとしての「町」が出現するのではないかと思うんですよ。おわかりいただけるでしょうか。この説明じゃ無理か…。
- まあそんな屁理屈をこねたくなるほど素晴らしい漫画だってことです(投げやがった)。未読の方はどこからでもいいので読んでみてはいかがでしょう。普通にスゲー面白くてスゲーかわいい漫画ですよ。紺先輩という死ぬほどかわいい生物も登場しますし…。歩鳥との関係性も最高です。「ほとこん」ホント至高。でもちょっと完璧すぎて二次創作はする気にならない…。
- なんにせよ、ハイペースな刊行ではないから100巻はちょっと厳しいかもしれませんが、石黒先生には命の続く限り描いて欲しいですね、「それ町」。たぶん20巻くらいで、引き返せないくらいヤバイことになると私は思っています。それまでに終えるのもひとつの手かもしれませんが…。いや、永遠に続いて欲しいです。
- ああ、眠い…。今日は暑い中を動いたので普通にばてました。もう完全に夏ですね。ではまた。