沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

『サマーウォーズ』の思い出

  • 細田守監督の映画『バケモノの子』の公開が来週に控えているからか、Huluに『サマーウォーズ』が上がっていたので、久しぶりに観てみました。劇場公開からもう6年くらい経つのか、と思うとしみじみしますね。
  • 今から死ぬほどどうでもいい話をしますが、本作の公開当時けっこう好きだった子がいたので、がんばって自然な感じに誘って一緒に本作を観に行ったんですよ。だからといって別に何にもなりませんでしたけど…。はい、心底どうでもいいですね。だからどうでもいいって言ったじゃないですか。ごめんなさい。
  • まぁどうでもいいついでにもうちょっと話すと、その時に私が学んだことは、「細田守作品を好きな子と観る」みたいな、外から見ればいかにも「リア充」的な行為というのも、実際にやってみると、思い描いていたほどには楽しいものではないということでしょうか。人によるのでしょうが…。
  • もっと若い頃 (10代) に『時をかける少女』を観たときは、「こんなキラキラした映画を好きな人と観られたらさぞ楽しいだろうなあ」等とボンヤリ妄想していました。いじましいですね。で、数年後の『サマーウォーズ』ではその妄想が一応実現したわけですが、正直「なんか…そこまでじゃないな…」と感じた、と。
  • サマーウォーズ』、カップル用のサービスシーンなのか何なのか、「男女が指を絡み合わせて手をつなぐ」的な場面があるのですが、(一応)カップルで観た当時でさえ、あそこは「小っ恥ずかしい上に気まずいからさっさと終われ」と思ってましたね…。さっきひとりで観た時も同じことを思いました。人は変わらないのかもしれない。
  • ていうか「映画館デート」自体が果たしてそこまで楽しいものかどうか、私には確信が持てません。だって別に一人で見るのと二人で見るので映画の面白さが変わるわけではないし…。むしろ誰か隣にいると気を使うし…。好きな子とかだとなおさら「つまんねー、とか思ってたらどうしよう」とか心配しちゃうし…。上映中話せるわけでもないし。どうなんすかね。楽しいんですかね。水族館とかの方が楽しくないですか。私は魚が好きです(知らねーよ)。
  • えっと、何が言いたいかというと、やっぱり映画は一人で見るのがベストなのではないか、ということです…。そして隣の幸せそうなカップルとかを見ると、私もつい反射的に「リア充め!」とか思っちゃいますけど、そんな羨ましがるほどのもんでもない気もする、ということですね。
  • もっと広げて言ってしまえば、「幸せそうな人が幸せとは限らない」ということであって…。だから「リア充爆発しろ」という気持ちは、よくわかるけど、やっぱり浅はかなのであって…。「勝手にリア充とか言うけど、おまえがその人たちの何を知ってるんだよ」ってことであって。「何も知らない」と思えるような想像力を育むこともまた、映画を観る目的のひとつなのであって…。
  • だからこそ私は、(以前さんざん批判しましたが)TOHOシネマズの「キャラクターバトルクラブ」の「ねた美そね美」がイヤだったのですよ…。「(自称)幸せじゃない人」なら「幸せそうな人」に対して何を言ってもいいなんて、映画的な想像力からは最もかけ離れた、浅はかな考え方だと思うのです。よそでならいいけど、映画館のスクリーンで大音量で毎回やるなんて、勘弁してほしいです、ホント。…私が潔癖症なだけかもしれませんが。
  • ああ〜…超脱線してしまいました。『サマーウォーズ』について語ろうと思っていたのに何故「ねた美そね美」の話に…。ファンか。もう眠いので終わりたいのですが、急いでちょっとだけ語ろうと思います、『サマーウォーズ』。
  • ただ、ですね…。劇場ではかなり楽しめた気がするんですが、今になってあらためて見返すと、正直「び、微妙……というかけっこう苦手な作品かも…」という感想を抱いちゃったんですよね。なんでだろ。志の高い名作なのは確かだと思うんですが。
  • いくつか思い当たる理由のうち最たるものは、やっぱり、ヒロインの夏希先輩かなあ…。なんか不自然なくらい無個性ですよね、この子。そもそも「好かれるキャラにしよう」と作り手があんまり思ってないのでは、とか邪推しちゃうくらいの「無」を感じるというか。『時かけ』や『おおかみこども』のヒロインと比べても、ちょっと段違いに記号的な気がします。記号的っていうか…「記号」?
  • 「憧れの先輩」「おばあちゃん想い」「したたか者だけど、ちょっと弱い」というような「属性」はあるんだけど、本当にそれだけというか、ひとつの「記号」としての役割しか物語において担ってない感じが、少し不気味でさえあります。あ、「アバター」ってこと…?なんか逆に面白い気もしてきた。実は『ユーフォ』の黄前さんレベルに斬新なヒロインだったりするのだろうか…。戦わせてみたい。
  • 他にも色々言いたいことはあるんですが、もう長すぎるのでいったんやめます。大人気なのもよくわかる立派な作品だと思うんですが、思い出補正を外しちゃうと、好きな作品とは言い難いですね…。でも細田守監督はやっぱりとんでもない天才だと思うので、『バケモノの子』は絶対見に行きます。その折にでもまた。