- また描いちゃいました、『駆込み女と駆出し男』。同じ映画で二枚描くのは初めてだなあ…。前回はヤング三人衆、今回はシニア(?)三人衆ということで。このメンツでビッグ3とか言っちゃうと、堤真一は「え、イヤおれは…」と謙遜するかもしれないな…。でも皆それぞれに素敵でした。
- 前に絵を描いた時(『駆込み女と駆出し男』と満島ひかり - 沼の見える街)、記事をTwitterなどで紹介してくださった方がいたようで、アクセス数が一時的にドカンと増えて嬉しかった&びっくりでした。感謝です。真っ先に思ったのが「やべーーー!『百日紅』の件で炎上したか!?」だったというのは内緒ですが…。
- あ、『駆込み女』がタマフルの次回の評論作品になったようですね。ホント、埋もれて見逃されるには惜しい、ガチ&ポップな傑作時代劇ですので、これで広く周知されれば喜ばしいですな。だってふつう作れないですよ、こんな映画、このご時世に…。奇跡の時代劇つながりで、願わくば『百日紅』も当ててくれ〜と願ってるんですがね…。江戸セットで一緒に論じちゃえよ、もう…。
- さて、せっかく絵も描いたので、今回はシニアな人々の話でもするかな。まず江戸を代表する戯作者(作家)の曲亭馬琴を演じた山崎努、当然ながら最高に渋かった。戯作者見習いの信次郎(大泉洋)とお風呂屋さんでバッタリ!というまさかのサービスシーンもあり、ファンには眼福だったことでしょう…。(でも恥ずかしながら最初、山崎努って気づかなかった。なんかションボリしてたし…。)
- そんで「アンチ馬琴」な人たちが聞こえよがしに馬琴の悪口を言いはじめるもんだから、馬琴ファンの信次郎と大げんかになるシーンも、江戸っ子らしくて楽しかった。落語とかでよく出てきますよね、お風呂バトル。それにしても、ファンVSアンチのおとなげない争いという風景は、(ネットがあろうがなかろうが)今も昔も変わらないんだろうな〜とか想像すると、なんか微笑ましい。
- ちなみにこの作品、全体としては落ち着いた色合いなんだけど、(イラストにも描いた)馬琴の衣装の下にチラッと見える襦袢には、珍しく鮮やかな赤が使われている。衣装担当の方によれば、「質素倹約だのってお上もうるさいし生活も苦しいが、腐っても戯作者(アーティスト)なんだから意地でもオシャレしたるわい!」という馬琴の心意気を表した、とのこと。さすが北斎のマブダチですね(そうでもない)。
- なんか馬琴のことばっかり長々と書きすぎたな…。樹木希林もさすがの迫力でしたよ。飄々とした役にもかかわらず、画面にいるだけでビシッと空気が引き締まり、「本格邦画ですよ!」ってルックになるのはやはり凄い。堤真一も色っぽくて、悪になりきれない悪人役がはまっていた(チャンバラでも大活躍)。ひかりトダエリ大泉のヤング3人衆も華やかだったけど、まあよくぞ揃えたもんだよ、このシニア3人組を…。どんだけ豪華なんだよ、キャスト…。ただ拍手。
- ちなみにこの映画、ロクに歴史知識のない私のような人間でも初見で気軽にたのしめるのですが、注意点としては、登場人物のセリフが少し聞き取りづらい箇所があります。時代考証に忠実だからか、井上ひさしの戯曲に忠実だからか、どっちもなのかはわかりませんが。
- ま、ぶっちゃけ、聞きとれないところは聞きとれないで問題ない気もします。雰囲気で大体わかりますので(おい…)。不安な方は、ストーリーとかキャラとか軽く下調べしておくといいかも。異様に充実してる公式HPもありますよ。人物相関図、盛り沢山すぎて逆に見辛くなってる気もするけど。ジョジョじゃないんだからさ…。まあ実際、人が多いので仕方ない。とにかく密度が濃いです。
- うぉー長い。今日はこの辺で。明日こそ涼しくなーれと毎日言っている気がする。