沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

『駆込み女と駆出し男』と満島ひかり

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  • ジョジョが舞台化するそうですね。あ、ジョジョじゃなくて、短編か。脱獄サスペンス『死刑執行中脱獄進行中』に、船上の密室劇『ドルチ 〜ダイハード・ザ・キャット〜』を織り交ぜた内容とのことだが…。どういうことだ。猫も出るの…?主演の森山未來は信頼できる役者だが、むしろ企画がすでにサスペンスフルだな。ハラハラする。
  • さて、『駆込み女と駆出し男』の絵を描いてはみたが、どちらかというと今日もしつこく『百日紅』の話をしたいー。こういう日もある…。
  • ほぼ同時期に『百日紅』&『駆込み』という、ド級の江戸映画がそろって公開されている現状、なんか面白いですね。アニメと実写、全然違う二つの世界を曲亭馬琴が地味につないでいて、ああ同じ時代の話なんだなーと実感。『駆込み』では山崎努がめちゃくちゃ渋く演じていた馬琴先生、『百日紅』では北斎がちょっと話題に挙げていましたな。絵描きの北斎と物書きの馬琴、なかなか複雑なライバル&協力関係にあったとか…。
  • さて『駆込み』。まず「お吟」(右)を演じた満島ひかり、とても良かった。眉毛を剃り落としてお歯黒も塗っているのだが、別にやらなくてもよかったのにあえてトライしたそうだ。見上げた女優根性。
  • 当たり前のことを言うようで何だが、実際、「眉毛」を落とすのって女優さんにとっては手足をもがれるようなもんだと思う(とくに映画では)。ルックスの問題というより、演技面での話。普段は意識しないけど、ちょっとした微妙な動きで、いかに眉毛が多くのことを語ってくれていることか。眉毛なしで主要キャラの演技をするなんて、デモンズソウルを奴隷兵でクリアするみたいなもんでしょう(よく知らんくせに…)。
  • 満島ひかりって「蹴られたい女」の筆頭みたいに言われてる(気がする)けど、こういう演技の姿勢を見せられると、むしろ縛りプレイに魂を燃やす、黄金のドM精神をお持ちの女優さんなのでは?と認識を改めたくなる。次は実際に縛られる役とかをやると、いいのかもしれませんね(何が?)。
  • ドMという意味では、安藤サクラを思い出さずにはいられない。映画『百円の恋』の撮影のために、まずダルンダルンの自堕落ボディを作り上げ、それをわずか10日間でガチボクサーの肉体に文字通り「改造」したサクラちゃんのことである。体型を自由に操作するのが得意なんだってさ。こえーよ。
  • 満島ひかり安藤サクラ、どっちも園子温愛のむきだし』が実質的なデビューだけど、それぞれまったく違う道を歩みながらスターダムをのしあがっていますね。次の共演が本当に楽しみ。
  • 本当は、お吟はもっと年齢が上の女優さんが演じるはずで、満島ひかりは主人公のじょご(左)をやる予定だったという。あ、それはそれで見たかったかも…。それで、お吟を安藤サクラが怪演とか!まさかの時代劇で、満を持しての「ひかサク」再び!…み、見たい。まったく違うお話になりそうだけど。
  • ま、トダエリさんもまっすぐで素朴な感じが好ましかったし、大変よかったと思います。大泉洋とのカップル感も微笑ましかった。
  • 余談のせいで長くなってしまったのでいったんこの辺で。とにかく『駆け込み女と駆出し男』、あらゆる要素が「本格」志向の堂々たる時代劇であると同時に、一方で軽妙な話運びによって観る者を飽きさせない、極めて優れた映画だと思います。少なくとも今年前半の実写邦画ではダントツの出来ではないでしょうか。ぜひ『百日紅』ともどもチェックしてみてはいかがでしょう。満島ひかりの話しかしてないくせに、それっぽくまとめてみました。ではでは。